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ピン企画一枚目です。
参加者(敬称略):
刀冴
理月
片山瑠意
十狼
ありがとうございました。
参加者(敬称略):
刀冴
理月
片山瑠意
十狼
ありがとうございました。
夏である。
茹だるような暑さに、夏バテする程体力のないメンバーはこの中にはいなかったが、それでも涼を求め、誰からともなく水浴びに行こうという話で盛り上がった。
向かうは杵間山の水の澄んだ綺麗な川のほとり。一度刀冴が山菜を採る為分け入り偶然見つけた穴場だ。
お弁当はもちろん刀冴の手作り。十狼が手塩にかけ丁寧に育てた野菜をふんだんに使った豪華五段重ねの重箱弁当である。
ご馳走を目の前に、さっそく腹を空かさねばと刀冴、理月、瑠意は揃って水に飛び込んだ。
「エルガ、おいで!」
両手を伸ばし、瑠意は白鳥サイズに小さく姿を変えた黒竜を抱きしめるとくすぐったそうに笑みを零した。
「馬鹿! 理月お前やめろって! 俺は筋肉がこれだから、絶対深いトコいったら沈むって言ってんだろ!」
「大丈夫だって! いざって時は俺が助けるから、ホラもうちょっと奥の方。さっきすっげぇ綺麗な魚がいたんだってば、なぁ!」
じゃれ合う刀冴と理月は、既に全身ずぶ濡れである。
鋼と黒檀の鍛え上げられた美しい肉体。惜しげもなく晒された2人の肌は、清らかな水を纏いキラキラ輝いているようにも見える。
眩しさに、瑠意は両目を細めた。
夏の日差しが、水面からのきらめきが、2人の掛け替えのない友の笑顔が眩しかった。
「若! 瑠意殿、理月殿! 昼餉の準備が整いましたゆえ、こちらへ!」
見事な大木の下、お重を広げ昼食の準備をしていた十狼が声を上げた。
歓声を上げ集まる3人に、十狼がそれぞれ好みと栄養を考え、料理を皿に取り分け渡していく。
「体動かしたら腹減ったなぁ。よーし喰おうぜ!」
「うっわ、美味そ~。イッタダキマス!」
「十狼さん、ありが……、え?」
渡された皿を一瞬引かれ、瑠意は驚き十狼の顔を見た。
かの天人の美しく整った顔には、背筋が震えるような薄い笑みが浮かべられている。
「瑠意殿」
顔を寄せられ、耳元で告げられたのは夏の日差しに負けない位、熱い囁き。
「先程、若と理月殿に見惚れられておりましたね。……後ほど、ご覚悟めされよ?」
「…………ッ!」
暑い夏はまだまだ終わらない。
(SS:トナカイ)
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